J・ティプトリー・ジュニア

J・ティプトリー・ジュニアの情報ページです。
たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)

タイトルはよく聞くけれど中身を知らなかったので、恥ずかしながら今さら読んでみた。
確かに面白いのだが、「メッセージ・パイプ」「睡眠カプセル」などSF用語満載の世界にどうしても付いていけない部分がある。作者(訳者)のオリジナル科学技術や未来世界設定が出てくるとなんとなく醒めてしまって、どうも私はSFというものを本質的な部分で楽しめていない気がする。

『耳をすませば』で雫が言っていた、
「本を読んでもね、このごろ前みたいにワクワクしないんだ。こんなふうにさ、うまくいきっこないって心の中ですぐ誰かが言うんだよね…。」
という感覚に近いかもしれない。うまくいきっこないというのとは違うけれど。「常識的にどうなのそれ?」の「常識」の部分から作られてしまうとなんだか困惑してしまうのだ。
(第三話『衝突』のジールタン視点の箇所は作者がその感覚をうまく逆手にとっている。ここだけは文句なしに面白かった)
ともかく私はSFを読むための想像力が足りないと思った。

同様に外国文学より日本文学、時代モノより現代モノが好きなのも、単に想像力を必要としない方向へと向かっているからであって、もしかすると私が国文学科に進んだのは自分に想像力が無いための消去法的選択だったのだろうか。